続・女好き彼氏
【また逃げるの?】
悲しそうな自分の声が頭の中に響く。
逃げる?
どうゆうこと?
あたしは逃げようなんてしてないし
逃げた事なんて…
そう思ったとき、ハッとする。
そう………言えば
何度かこんなことがあった気がする。
悠雅が違う女の子とのキスを見せつけてきたとき、あたしは背を向けてその場から立ち去った。
悠雅が女の子とイチャイチャしていても
あたしは見てみぬフリをした。
それって……逃げてるってことだよね?
「………………っ」
あたしは自分の下唇を噛み締める。
惨めだとかバカみたいだとか
そんなこと思う前に自分から行動しなくちゃだめじゃない。
あたしは震える手をギュッと握る。
自分で、行動して、だめなら…………
そのときは……
頑張った自分を褒めてやればいいの。
あたしは睨むように2人の声が聞こえる保健室の扉を睨みつける。
そして、また大きく深呼吸をする。
「行くんだ」
そう小さく呟いてあたしは勢いよく
保健室の扉を開けた。