続・女好き彼氏
「し、失礼します!!」
大きく張り上げた自分の声と
壁に勢いよくぶち当たる壁の音が保健室に響き渡る。
そして、そこにいた二人は目をパチクリさせながらあたしのことを見ている。
「み、美夜………………」
悠雅があたしの名前を呟く。
きっと驚いてつい出てしまったんだと思う。
そしてあたしは、2人のことをじっと見つめた。
椅子に座っている女の子としゃがんでいる悠雅。
座っている女の子の膝には大きく擦りむいたような怪我があって、悠雅の手には大きな絆創膏が握られていた。
あ、そうか……………。
悠雅は女の子の怪我を治療してただけだったんだ。
あたしはそんな二人を見てから大きく息を吐き自分の胸をなで下ろす。
「何しに来た?」
ビクッ。
あたしの緊張がほぐれた体は悠雅の冷たい声でまたピンッと背筋を伸ばした。
悠雅を見ると手に持っていた絆創膏を女の子の膝に優しく貼っていた。
でもそんな優しい手付きとは全く違う
睨みつけるような眼差し。