続・女好き彼氏
にっこり微笑んで細めた瞳の奥…
その瞳の奥にはとっても黒いどろどろしたものが渦巻いて見えた。
あたしは目を見開いてその笑顔を受けべる女の子の瞳を見ることしか出来ない。
おもいっきり握られた手がどんどん痛さを増していく。
振り払いたいのに払えない。
自分の言うことを聞いてくれない自分の体に腹が立つ。
「先輩は悠雅先輩の元カノさんですよね?」
微笑んだままの口元でそう呟かれたその言葉がとても不気味に感じてしまう。
聞きたくないのに
心にまで食い込んでくるほどの気持ち悪い感覚。
ビビっちゃだめ……だめ。
そう必死に自分の心に言い聞かせて
あたしは首を思いっきり縦に振った。
すると、その強く握られていた手をいきなりグイッと引っ張られて
よろめいたあたしの身体は高松さんの方に倒れそうになる。
「あたし、先輩のこと大ッキライなんです。
だから先輩にはあたしと同じ気持ちを味わってほしいんですよね……」
あたしの耳元で囁かれた高松さんのかわいらしい声。
でもその言葉にはたくさんのとげがついていた。