続・女好き彼氏
そんなことを考えると
俺は椅子ごと二人から距離をとる。
そして海哉と八神は距離をとる俺なんかに
気づきもせず、二人は痴話喧嘩みたいなのを繰り返す。
「そんなことないって…
落ち着けよ、玲」
「だって…だって、海哉がぁ……」
そう言って泣きじゃくる八神。
ん?
ちょっと待てよ?
そして、俺の中に小さな疑問が浮かぶ。
何かが心に引っかかる。
なんだっけ?
そう、そう言えば
なんで俺は、海哉と美夜が付き合ってると
思い込んでいたんだろう。
そんなことを考えて、考えて……
あ、そういば……
あっ、と思い出して
俺は二人の間にまた入る。
「あ、あのさ……海哉」
「ん?なんだ?」
俺が海哉の名前を呼ぶと
まるで助かったっとでも言うように
はぁっと息を吐いて俺の方を向いた。
「確か、海哉って……さ……
美夜とキスしたって言ってなかったか?」
俺の突然の言葉に
海哉と玲の動きが止まる。
「は?」
そんな中で先に口から声を出したのは
海哉だった。
そして、その次に声を出したのは……
「なーーーーにいいいいいい!!!?」
もちろん、怒りに気を狂わせた八神だった。