満月の夜に逢いましょう
アキさんはハンカチをアタシの頬に当て、血をふいてくれている。
その手は優しくて、ドキドキと高ぶっていた心拍数が落ち着いていく。
「なっなによ、あたしにはそんな風に優しくしてくれないのに」
「黙れ。」
「あたしっずっと中村くんにあこがれてて」
「いいから黙れ」
「あたしっっ」
「黙れってのが聞こえねぇのかよ!?」
アキさんの怒鳴り声で、女の子は言葉を失った。
真っ赤にした瞳からは、少しずつ涙が溢れ出てくる。
周りにいる子達は、なにも出来ない様子でオロオロしている。
「…ひどいわ」
その言葉を残して、彼女は走り出した。