俺様狼と子猫少女の秘密の時間①

「どういう……ことですか…?」


思いのほか掠れた声で、問い返す。

ドクン、ドクンと、心臓が大きく脈打った。


「ほんとにただの推測だよ。もしかしたら…家でぶっ倒れてるだけかも」


それはそれで問題だけど…ぜひそうであってほしい。

だけど……。


「俺さ、今日あいつんとこ行ってみようと思うんだ」


「え……」


「一緒に…来る?」


薫、さん……。


「…はい…」


冷たい汗が背筋を伝う。

ぐっと拳を握り締め、静かに頷いた。


「じゃあー…放課後ここで待っててよ」


「はい」


「あ、もう一人なんかくっついてくるかもしれないけど、気にしないでね」


「はい…?」


謎の言葉を残して、薫さんは手を振って出て行った。


もう一人…?

なんだろ。


まあ……放課後になれば分かるね。


< 223 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop