俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
「どういう……ことですか…?」
思いのほか掠れた声で、問い返す。
ドクン、ドクンと、心臓が大きく脈打った。
「ほんとにただの推測だよ。もしかしたら…家でぶっ倒れてるだけかも」
それはそれで問題だけど…ぜひそうであってほしい。
だけど……。
「俺さ、今日あいつんとこ行ってみようと思うんだ」
「え……」
「一緒に…来る?」
薫、さん……。
「…はい…」
冷たい汗が背筋を伝う。
ぐっと拳を握り締め、静かに頷いた。
「じゃあー…放課後ここで待っててよ」
「はい」
「あ、もう一人なんかくっついてくるかもしれないけど、気にしないでね」
「はい…?」
謎の言葉を残して、薫さんは手を振って出て行った。
もう一人…?
なんだろ。
まあ……放課後になれば分かるね。