俺様狼と子猫少女の秘密の時間①
――そして放課後。
杏子に一言言って、あの部屋に向かった。
ガラッと扉を開けるといきなり。
「わっうそこの子? かーわいーい!」
「だっろー? 龍樹のやろーも隅に置けねーよなあ」
「???」
な……なにごと…。
ガバッとなにかに抱きつかれ、視界が遮られた。
「???」
ひたすらに疑問符ばかりが浮かぶあたし。
ていうか息が……できないんですが。
「おいおい、いい加減離せって」
「あっごっめ~ん。大丈夫?」
「っあ…は、はい…」
いえ……窒息死するかと…。
「あたしねー中井玲菜。篠原とは中学が一緒だったのよ」
「あ…澤村悠由です」
「ね? もう一人くっついてきたでしょ」
ああ…この人のことか。
くすくすと笑って言う薫さんの言葉に納得した。