Snow Princess ~雪の華~
体温が戻り血が通うと、縛られている辺りが痺れ痒くなりだした。


身をよじったりしてたら、足元にあった掃除用具を蹴ってしまいけたたましい音を立てて倒れてきた。

周りは見えずとも危険を察知したマリンは悲鳴を上げる。


甲高い声と棒数本とのコラボレーションは見事に隣の部屋に響き、部屋にいた者たちは何事かと腰を上げた。


――やった! 人がいる!

マリンはすぐさま得意の大声を――確実に近所迷惑なボリュームで――上げた。


「そこの者たち! 今すぐ私の縄をほどきなさい! すぐによ!」


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