シルバーウルフ -Is this love?-
「裕慈は小さいときから、神様にも、神父にも、私にも感謝が足りない子だったわよ?いつも、ごはんを分けてあげてた私に挨拶くらい出来ないの?」

言ったあと“フフッ”って笑った。母が子を諭(さと)すように優しいトーンだった。


痩せっぽっちの裕香。

俺想いの優しい裕香。

確かに、感謝の仕方も知らず、当たり前みたいに、そんな裕香から分けて貰った飯を喰らうだけの俺だった。





しかし、俺を裏切り、どん底に叩き落としたのはこいつだ。





「俺の質問に答えろ。撃つぞ?」

俺は感情を押し殺した声で言った。




「裕慈、神父が怒ってるわよ。」



「だから、なんだ?まず、俺の質問に答えろ。」



「もう……。」

ため息を漏らした裕香。

「じゃぁ、撃ちなさいよ。それで、おあいこね?」

“ほら、ここに”ってカンジ。




裕香は両手で俺のリボルバーを包むように持った。



そのまま銃口を自分の額(ひたい)に当てた。



引き金に掛けていた俺の指。



裕香は躊躇(ためら)いなく俺の指を押した。



轟音が響いた。硝煙が舞った。裕香の額から赤が飛び散った。






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