シルバーウルフ -Is this love?-
「裕慈……、お前だって……、俺の母親を殺しているんだ。」

水底深くで話すような、くぐもった声の裕太。うっすらと潤んだ目で俺を見ながら言った。





「お前……、急に、なに言ってんだ?俺は、お前の母親ってのを殺した覚えはない。」





「裕慈……、お前の最初の殺しだ……。あれは、俺の母親だ!!」





……あの、青い十字架を額(ひたい)に押し付けられた日



 白いシーツの中の神父の妻。



 イビキ混じりの寝息。



 刃渡り20センチの包丁。



 神父の首を“カッ斬る”ポーズ。





不条理に対する怒りで染まっていた俺の脳細胞。


一瞬であの日の記憶の断片の数々が、フラッシュバックで覆(おお)い被(かぶ)さってきて、怒りを忘れさせた。








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