シルバーウルフ -Is this love?-
「じゃぁ……、裕太、お前は、神父の息子でもあるってことなのか?」


視線は俺に向けられたままだった。裕太はこくりと頷いた。





「裕太くんは、お腹……、減らないの?」

幼かった俺のそんな問い掛けに答えなかった裕太。



施設の中で1人だけ丸々太っていた裕太。



俺たちの見えないところで、神父の妻は、我が子可愛さの寵愛(ちょうあい)を与えていたことが安易に想像できた。





そして……、時期外れのサンタクロース。





俺をいじめていたこいつでも、あれは、よほどに可哀想に見えたのだろうか?



こいつが俺のために神父に頼んでいたのか……。





裏腹と善悪のバランスの均等を保てない人種……。



裕太が神父にそっくりだと、俺が感じていたこと。それが、DNAレベルにまで至っていたことは、さすがに夢にも思わなかった。








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