蜃気楼。
「あら、ならまたいらっしゃい。
ウチはいつでも暇だから。
それとも、今日は泊まっていく?」

「いえ、今日は帰ります。」

「ざぁ~んねん。」


「あっ紅茶とケーキありがとうございます。
美味しかったです。」

そう言って、席を立つ結川真央。

「尽。送って行きなさい。」

ニコッと笑う。


実は、母さん家金持ちなんだ。
だから、小さい頃から
色んな習い事してて、

《自分の身は自分で守れるようになれ》
って言われて、
空手とか柔道、合気道なんかも
やってたらしく、
そこら辺の女と比べたら
かなり強いし。

ケンカしてもいいけど、
怪我はしたくないし。
無駄なことはしない主義だし。

まぁ、母さんは父さんと結婚した時に
家族とは縁を切ったらしく、
俺は母さんの両親には会ったことすらない。
その父さんも、
まだ俺が3歳くらいの時に仕事中に
亡くなった。

父さんはカメラマンで、毎日頑張ってて、
そんな父さんの写真を気に入ってくれたベテランのカメラマンが、
父さんと一緒に写真を撮りたい、そう言ってきて
それを聞いた父さんは大喜びで一緒に写真を撮りにいった。
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