蜃気楼。
・・・初めて母さんの傷に触れた日だった。


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「どうかしましたか?」

隣で俺の顔を覗き込む結川。


「…何で?」
「顔、曇ってますよ?
今にも泣きそうです。」

俺、これでもかなりpoker faceなんだけど。
絶対ばれねぇ自信あったんだけど。

なんで?

ふと、コンビニの鏡に映った自分を見て、驚いた。
思い切り、感情がでてる。

…っダメだ。
全然顔を操れねぇ。

必死になっても、
顔は操る事は出来ず、惨めだった。

「大丈夫、ですか?」
「ん、わかんね。」

俺の言葉に、
「意外に、優しい方なんですね。」
と、結川。

「んで?」

「最近の若者は、こんな見ず知らずの
人の為に時間を作ってはくれないものです。」
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