蜃気楼。
歩き出す俺等。

寒さで思わず震える。

「さぁっむ。」

隣の結川も、
寒そうに手に息を吹きかけていた。

「寒いか?」
「んー、まぁ普通です。」

と、鼻の頭を真っ赤にしながら言う結川。
説得力ZERO!!!

俺のマフラーを結川に巻くと、

「ぁっ、いいです。貴方が寒くなりますよ?」

と、マフラーを取ろうとする。

無言で巻く俺。

・・・・またも根負けしたのは、結川。

「ありがとうございます。」

と、マフラーに顔を埋めながら言う。

「いーえっ。」

二カッと笑うと、

「やっぱりやさしいじゃないですか…。」

と、ボソッと呟く結川。

「なんでよ?」

「充分貴方の方が寒そうなのに、
自分のマフラーは私に貸したりして。」

「はぁっ?寒くねーし。」

強がってみたりして? 笑

「寒くない訳無いじゃないですか。」

クスッと笑う結川。








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