蜃気楼。
「ぁっもう着きました。」
「ありがとうございました。」

ペコッと頭を下げ、走り出す結川。
あっ、俺のマフラー…まぁいっか。

クルリと反対方向に歩き出す。


「クシュんッ」

さっみー 涙
俺はポケットに手を突っ込み、小走りで家に帰った。



ガチャッ
「ただいまー。」

家の中は、暖かかった。

「尽~まぁちゃんのお家どこだったぁ?」

トコトコと俺に駆け寄る母さん。

「あー、駅前通りの公園の近く。」
「……そう。」

この時、少し曇った母さんの顔に俺が気付いていれば、
結川真央の家をしっかり調べていたら、
俺等の未来はこんなにも残酷じゃなかったのかな?

…なんてね。

「お風呂、ためてあるから
さっさと入りなさいよ~。」

ニコッと笑って母さんが言った。

「ん。」

2階にある俺の部屋に入り、
ベッドにダイブ。

「風呂はーいろっ。」

風呂から上がり、リビングで濡れた髪を
乾かしていると、母さんが隣に座ってきた。


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