溺愛キング
こそこそっとキッチンに忍び寄ると…


「うん、矢耶はいーけど、藍は許してくれるかな?」

「え!ほんと?!類さんが言うなら大丈夫だね!よろしくお願いします」

「うんうん!絶対に内緒にする!う、うん、が、頑張る…」

「喜んでもらいたから、矢耶はやるよ!類さん、ありがとう!」

「はいはい、任せて!藍にかわる?おっけー!ちょっと待ってね~」


矢耶は、くるっと振り返った。


「きゃっ!あ、お!いいい今の聞こえてた?!」

『一分以上たってんだけど』

「うぅっ、ごめん」

『類さんはなんて?』

「あ!かわって、だってーはい!」

『ん、類さん…矢耶に何話たんすか』

《教えるわけねぇーだろうが》

『ちっ』

《舌打ちすんなよ、ちょっとくらいいいだろ?減るもんじゃないんだから》

『減ります』

《ふっ、可愛くねぇやつ、まぁ、ちょっとした話だから気にすんな》

『ちょっとでも気になります』

《そう、怒んなって、とりあえず邪魔したな。悪かったまた連絡するわ》

『ちょっ!類さん!』


俺の返事も聞かないまま、切られた。

矢耶はにこにこしてる。

うん、聞きたい。
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