溺愛キング
やっと魔のテスト週間が終わった。

苦手だった数学と英語…

今日返却されるんだよね~…

破壊的、いや、壊滅的な点数だったらどーしよう?!

藍に教えてもらったのに、申し訳ない…


朝からずっと、もやもやしてる。


「矢耶?大丈夫だから、どんな点数でも今日は一緒にいるから、な?そんな顔すんなよ」

『ううん!約束は約束なの!点数悪かったらお願いはなしでいいよ!仕方ないから』

「え?!いや、俺は…その、お願いなしにしなくても…」


あお…

藍は矢耶を心配してくれてるんだ。

だけど、約束は守らないと!

このままじゃぁ、ダメな女になっちゃう!

自立した女の人にならないとね!

将来、あおのお嫁さんになるだもん。

うん、我慢よ、矢耶!!

拳を握りしめ、ガッツポーズをしてみた。


「藍飛、残念ね~」


海亜が藍に向かってふん、と笑った。

何が残念なんだろう?


「海亜うるさい、お前は余計なこと言うなよ」

「やーよ、藍飛の好きにはさ、せ、な、い!」

「んだと?!」

「ややー!藍飛が睨んでくるんだけど~!」

「な!海亜!」


海亜が抱きついてきた!

わっ、なんか海亜かわいい~


『なになに?海亜!あおがどーしたの?』

「藍飛ってばね~」

「海亜だまれ、翼、海亜とどっか行けよ」

「は?もう授業始まんだから無理だろ」

「ふん、矢耶、おいで、俺の膝に座って」


藍が矢耶を呼んでる。

もう、話は終わったのかな?

海亜から離れて藍のとこに…


『きゃっ!』


ぐいっと藍に腕を引っ張られて、藍にダイブしちゃった。


「んー、矢耶かわいい」

『もぉ、先生来ちゃうからだめー』


藍をぐいぐい押した。
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