最後の恋ψ天使の魔法はクリスマスに降る雪と共に
「だったら…私はカイトを今、失いたくないよ。

助けてくれた、命の恩人だもん。

もしカイトがいなくなったら、立ち直れない…」


「まぁ、そう言うなよ。

オレの存在価値、美衣のおかげで高まったぜ?

『生きる屍、少女を救出し、有終の美を飾る』ってな。明日の新聞に載るかも?

カッコいいな、オレ」


カイトは私を見下ろし、ブッと笑った。


「やだっ…、そんなの全然カッコよくないよ!

生きて戻る方が、よっぽどカッコいい…」


カイトの透明度が高まってきたのと涙で、


だんだんカイトが見えなくなっていく。


「生きてる方が、ブザマな人生もあんだよ…。

オイ天使、さっさと連れてけ」


カイトは天使を見上げ、そう言った。


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