新撰組~変えてやる!!

 「なぁ~、総司郎!!鬼ごっことだるまさんが転んだ、どっちがええ?」

 「え?ぅ~ん…私は、かくれんぼがしたかったんですけどね…。」

 沖田は、一瞬で子供達に囲まれていた。

 「あっ!!それ、ええなぁ!よしっ、みんなでかくれんぼや!総司郎が鬼やで!!」

 「はいはい!数えますよ~」

 沖田の声に、子供達が散り散りになる。舞も、楠木を連れてどこかへ行ってしまった。葵も仕方なしに大きめの木に登り、沖田が数え終わるのを待った。

 「さてさて。いいですか、皆さん!行っきますよ~!!」

 沖田は子供が隠れそうな場所を探し始めた。1分程経った頃、沖田が声を上げた。

 「光太くん、見ぃ付けた!!」

 沖田が言ったように、茂みの中から光太が出てきた。沖田は光太が数え出したのを見届け、葵の隠れている木に登ってきた。

 「小宮さん。」

 「今は、蒼井ですよ。総司郎さん?」

 沖田は“そうでしたね…”と呟き、葵の隣に腰掛けた。

 「どうです?楠木さんは…何か、掴めましたか?」

 「全くダメです。そちらこそ、どうなんですか?聞きましたよ?隊士達に聞いて回ってるそうですね。何か、収穫はありましたか?」

 葵は自分の肩に乗った木の葉を払い落とした。

 「こっちも駄目です。…そう言えば、昨日の夜、部屋を訪れたんですけど、気配すらありませんでしたよね?一応、屯所は一周したんですけど、いなかったので…どこにいたんですか?」

 「そうだ!忘れてました。後で、副長に知らせないと…。」

 沖田が少し大きな声を出してしまった葵の口を塞ぎ、光太が気付かなかったのを確認し、離した。

 「…で、何があったんですか?」

 「…えっと…まぁ、色々と…詳細は話しにくいのですが、昨晩、玄鶴に会いましてね…敵なので信用性はあまりないのですが、“新撰組にいる間者は5人。信じるか信じないかはお前次第だ。”みたいなことを言い残して去って行ったんですよ。」

 沖田は目を丸くした。

 
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