神様の暇潰し? 〜 The love story of mask human 〜
翔太と陽奈は休み時間になるとよく俺の席の前に来て話し出す。幼なじみだから、と言ってしまってはそれまでだが、無口で周囲に溶け込めない俺をどうにかして周囲に馴染ませようとしているようにも見えた。
そんな幼なじみ達の努力を横目で見てはいるが、実際問題俺自身は乗り気じゃない。周囲に関わっても良いことなんて皆無だし、面倒なだけだからだ。友達を増やしても何の得にもならないし、無利益。俺は無利益なことはしない主義なのだ。
「ねぇ、音勇もそう思うよね〜!?」
突然陽奈の笑顔が目の前に現れた。半分寝ていた状態だった俺は、話を何も聞いてなかったためポカンとした表情を浮かべた。
「むぅ〜……音勇聞いてなかったの?」
「眠いからな」
「もう! 音勇いっ〜つもそうじゃんっ!」
陽奈が頬を膨らめて怒りを露にするが、正直怖くない。それどころか、怒り方が子どもっぽくて逆に笑えてくる。
陽奈は体型自体がロリ体型なのに、性格も子どもみたいなヤツなのだ。
「眠いからな。この眠さは成長期がまだまだなロリ体型にはわからないことなんだ、仕方ないだろ?」
「仕方なくないよっ! あんまりロリロリ言ってると、次からノート写させてあげないもん!!」
陽奈と口喧嘩になるとこうやって俺をたまに脅す。
授業中に寝ている俺にとって、ノートを写させてくれるヤツは必要不可欠だ。その1人が陽奈な訳だが、陽奈のノートは教師が言った要点や余談なんかも分かりやすくまとめてあってめちゃくちゃ重宝なのだ。陽奈にもそれがわかっているからこうやって脅す。
「いいよ、翔太に頼むから」
「俺がノートを真面目に取ってあると思ってんの?」
「んだよ、使えねぇな」
――そんなこったろうと思ったけど。
「幼なじみは道具じゃありませんっ。そんな言い方ダメ絶対!」