神様の暇潰し? 〜 The love story of mask human 〜
陽奈は無い胸を張りながら数学の授業ノートを俺に突き出して得意気に言い放つ。
「ねぇ、音勇くん音勇くん。私に何か言うことあるんじゃないかなぁ〜?」
「ハイハイ陽奈お嬢様。俺が悪かったです授業ノートを貸してくださいお願いします」
「…えへへ、ヨロシイ〜。はい、明日返してね」
陽奈は満足げな表情を浮かべると、少し照れたように頬を赤らめながらノートを俺に手渡した。
「えへへ…音勇は私のノートが無いと、ノート点赤点だもんね?」
「いや、そんなことはないっすよ」
「ありぇ?」
陽奈は戸惑いの表情を浮かべて変な声をあげる。ふわりと彼女のフォーステールが揺れた。
「それに、誰がロリロリが必要だよ。俺はロリコンじゃないぜ?」
「わ、わわ、私そんなこと言ってないもん!」
焦ったようにそう言って頬を膨らめながら抗議する。対する俺は興味無さげに呟いた。
「あ、そうですか〜。へぇ〜まあ別にいいけど」
「もぅ〜音勇のいじわる! また私のことロリロリ言ってぇ〜! ノート返してっ」
「イヤだ」
陽奈は俺に向かって小さな右手を出すが、俺はさっき渡された数学のノートを自分の机の中にしまい込むと、うつ伏せになって寝る体勢に入った。
「ねぇってば〜! 返してよ〜っ! 返してくれないなら後で取っちゃうもん!」
「陽奈、良いこと教えてやるよ。貸した物をその貸した人の了承無しに取ってくと、なんと窃盗罪が適用されるんだぜ」
「えぇーっ!!」
陽奈は驚きの表情を浮かべると、出していた手を素早く引っ込めた。
陽奈との日常はだいたいいつもこんな調子だ。陽奈が俺に話しかけ、俺が陽奈をからかい、陽奈はそれに反応する。翔太は基本的にそれを傍観していることが多かった。