ひとかけらの恋
「えっ、何……?俺のこと言ってるの?」



「えっ…?」



いきなり声が聞こえてきたと思ったら、私と江里香の後ろに翔が立っていた。


もしかして翔、さっきの会話聞いてたの?



「話してる途中悪いんだけどさ…。」




グイッ!!




へっ!?



「こいつちょっと借りてくぜ!」



私は翔に腕を引っ張られ、翔はそのまま体育館の外まで私を連れ出した。


体育館を出る時、私は江里香の謎めいた顔が見えていた。


翔に連れられて、ちょうど体育館の裏に来た頃、翔の足が止まって私の足も止まった。


翔は私の腕を掴んだまま、私に背を向けて喋り出す気配はなかった。




サァーーー………。




風で木の葉が音を奏でている。


この音を聞くと、少し心が癒されてくる。





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