ひとかけらの恋
ねぇ…翔…。


どうして私を連れ出したの?


何か…、私に話したいことがあるの?



生温い風が二人に吹き付ける。




ギュッ…。




翔が私の腕を掴んでいる力を少し強めた。



「か…、翔…いた…いよ。」




私の言葉で翔は私の腕をはなした。



「なんで…、なんであの時泣いてたんだ?」


やっと翔が口を開いたと思ったら、話し始めたことは、やっぱりあの日のことだった。



「だから、目にホコリが入っただけだから…。」



私はまた、翔に言い訳をした。


だって、本当の理由は翔が好きって言ってることと同じだから…。


「ぜってぇおかしいって!ホコリで泣いてるように見えなかった。」



「だから、翔には…、わかんないんだってば!」



私はやけくそになって言った。





< 107 / 488 >

この作品をシェア

pagetop