ひとかけらの恋
私は雪が降っていることなんておかまいなしに、傘もささず走り続ける。


道ですれ違う人達は、そんな私を見ては不思議がる。


確かに雪が降っている中、傘を持っているのにささずにいる姿はかなり変わっている…。


「ハァ…、ハァ…。」


だいぶ走って家の前に着く頃には、かなり息がきれていた。


苦しい……。

でも、今一番苦しいのはココロかもしれない。



ガチャン!!



「ただいま…。」



「どうしたの美晴!?傘持ってたでしょう?」



奥から出てきたお母さんの表情は、かなり驚いていた。



「タオル持ってくるから待ってて。」



お母さんはバタバタと走りながらタオルを取りにいく。



ピチャン…、ピチャン…。



私の髪の毛やコートに積もった雪が、溶けて雫に変わり落ちていく。





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