屍都市
「山田さん!」

大きな体の山田を見た幸羽が、歓喜の声を上げる。

「無事だったんですね!」

「ええ!小野さんも理子ちゃんも、ご無事で何よりです~」

駆け寄ってきた理子達を見て、顔をほころばせる山田。

実に数時間振りの再会だ。

感慨もひとしおである。

「そ、そんな事より!ねぇっ、子供を保護したってメールにあったけど!」

血相を変えて大声で言ったのは純だった。

「その子は一体どこにい…」

言いかけた純の目に、ベンチに座ってキョトンとしている幼い男児の姿が見えた。

…思わず手にしたスコップを取り落とす。

「マ…」

雄大もベンチから立ち上がり。

「ママあぁっ!!」

一気に涙を溢れ出させて純に駆け寄った!

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