屍都市
きっと仲間達は無事でいるに違いない。

自分を納得させ、工事現場を離れようとした時だった。

「……!」

ジャリ…と。

砂利の上で何かを引き摺る音がする。

ジャリ…ジャリ…。

また聞こえた。

音は一つではない。

複数。

しかもこちらに近づいてきている。

「……」

純の足元にスコップが転がっている。

土を掘る時に使用する作業用のスコップ。

彼女は静かにそれを拾い上げて。

「誰っ?」

咄嗟に振り向く!

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