屍都市
そこに立っていた者を目にして、純は絶句した。

一度目にしたら夢に出てきそうな、酷い傷を負った死体。

頭蓋骨が露出し、夥しいまでの出血をし、腹からは腸がはみ出している。

そんな死体が何体も何体も、純の背後に迫ってきていた。

何より彼女から言葉を奪ったのは、その死体達が純と同じ灰色の作業着を着ていた事だった。

見るも無惨な姿に変わり果ててしまったが、これはかつての純の仲間達。

共に汗を流して働いていた、土木作業員の成れの果てだった。

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