屍都市
ならば!

「寄るんじゃないわよ!」

純は大きくスコップを振りかぶって、かつての仲間の成れの果てを思い切り殴り飛ばす!

流石は土木作業員として長年働いてきただけの事はある。

女の細腕とは思えないほどの力を発揮して、純は同じ作業着を纏ったゾンビを打ち据えた!

「せめてもの情けよ」

純がスコップを構える。

「私の手であの世に送り返してあげる。二度と迷い出ないように今度こそ永遠の眠りにつかせてあげるわ!」

昨日まで共に働いてきた仲間達だからこそ。

一番身近だった自分の手で葬ってやりたい。

純はそう考えたのだ。

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