屍都市
灰色の作業着を纏ったゾンビはあらかた殴り倒しただろうか。

しかしゾンビは元の仲間達だけではなかった。

「!」

見覚えのない着衣を血で汚したゾンビ達が、新たに純の前に現れる。

純の仲間達とは別の、他所からこの工事現場に来たゾンビだろうか。

その口元に灰色の布切れが垂れ下がっているのを見て、純の目の色が変わる。

「あんたが…みんなを襲ったの…?」

作業員に食いついた時に、作業着ごと食い千切ってしまったのだろう。

垂れ下がった布切れはその事を物語っていた。

スコップを握り締める手に、力がこもる。

「よくも…私の仲間を!」

その力のこもったスコップを、ゾンビの顔面に叩きつける!

グギッ!という鈍い音。

ゾンビの首が不自然な方向へと折れ曲がり、そのまま後方へと倒れた。

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