屍都市
他所から工事現場にやって来たらしいゾンビは、その一体だけではなかった。

見れば工事現場のあちこちから、新手のゾンビが姿を現す。

純の声を聞きつけたのか、それとも彼女の汗の匂いや体温に敏感に反応するのか。

新鮮な生者の肉を求め、ゾンビ達は工事現場に殺到する!

「くっ…!」

手当たり次第にスコップでゾンビ達を殴りつける純。

一撃でゾンビを怯ませるほど、彼女の殴打には力がこもっていた。

学生時代から気の強かった彼女だ。

時には男子学生とも喧嘩をし、立ち回りには自信があった。

が、如何せん数が多すぎる。

仕留めても仕留めても、雨後の筍の如く湧いて出るゾンビ達。

スコップは血に塗れ、鉄錆臭い匂いを発散していた。

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