とある堕天使のモノガタリ ~INTROITUS~



バイクに飛び乗ると自宅へ急ぐ。

階段を駆け上り忍の部屋を開けると、潤と忍が向き合って座りお茶を飲んでいた。


「おかえり~右京」

「・・・・・」

「非常事態を回避致しました。」

「もう、びっくりしたじゃない!いきなりこの子が現れて助けてくれたのよ?」

「...この状況のどこが非常なんだ?」

「ワタクシが打破致しました。」

「うんうん、ゴキブリが出て大変だったの!!」


ゴキブリ...?



「それのどこが非常事態なんだよ!!!」

「非常事態じゃない!!私一人でどうしろっていうの!?」

「ワタクシが打破致しました。」

「殺虫剤があるだろ!!」

「それでひっくり返ったって、その後はの処理が困るじゃない!!」

「ワタクシが打破いた...」

「それくらい摘んで捨てろよ!!」

「それが出来たらやってるわよ!!」


その時いきなりブワァ!!と黒い渦が潤から吹き出した。



「ですから!

ワタクシが打破いたしましたと!

申し上げてるじゃありませんか!!!!」



怒ったらしい潤が涙を浮かべて俺達を睨む。

忍はびっくりして俺にしがみついた。

「...この状況の方がよっぽど非常事態だ...」

「...う...右京なんとかして...」


俺は潤の頭をそっと撫でて「よくやった」と言ってやると、黒い渦が消えて潤の表情がぱぁっと明るくなった。

「はい!!ワタクシやりました!!」


その変わり様に引きつる俺と忍。


こいつは間違いなく“悪魔”なんだと証明されたのだった。





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