とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
「弁当出来た?」
「ん。ちゃんと作ったよ~」
「彼女の手作り弁当...いいなぁ~...」
「多めに作ってあるからみんなもどーぞ!」
忍はニッコリ笑って言うとクラスの奴等から歓声が上がった。
「またこのパターンか...」
「みんなで食べたらおいしいでしょ?」
「俺は忍がいればそれでいい。」
そんな様子を見たみんなは俺の溺愛ぶりに驚いた。
「あのウリ坊が...」
「右京くん、凄いわよ...忍に対する過剰な愛情表現が…」
クミの一言に忍が真っ赤になって焦りだした。
「過剰ではない。俺にとっては普通なの!」
「どこが!?見てるこっちが恥ずかしい!」
「まぁまぁ、クミ抑えて!!」
「知りたい!ウリ坊どうなんの?」
「あれは“王子”よ!ありえないわ!」
そう言って両手で顔を覆うクミを寛二がよしよしと頭を撫でた。
「...よくわからん...」
「...たぶん、すぐわかると思うぜ...」
そう寛二が言うとみんな「楽しみだ」と言った。
俺はそんな会話は気にもせず鼻歌を歌いながら忍の作ったお弁当をゴソゴソ漁りだした。
「右京、まだ食べちゃだめよ?」
「何なら食べていい?」
「何もダメ!」
「じゃあ忍ならつまみ食いしていい?」
そう言って忍の顎を掴んで引寄せた。
その瞬間周りが発狂した。
「ばっ...ばかじゃないの!?」
「う...ウリ坊が...ウリ坊がぁぁぁぁ!!!」
「だから場所をわきまえなさいよ!!」
「な?...すぐわかるって言ったろ?」
俺は半眼で発狂した集団を睨んだ。
「んだよ...冗談に決まってんだろ?」
「冗談に聞こえねーよ!!」
その後の昼食はまるで宴会のようだった。