とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
朝食の片付けをしているとフラフラと忍が脱いだパジャマを持って降りて来た。
「なにやってんだよ!
そんなの俺がやるから寝てろよ!」
「大丈夫よ。…おじいちゃんは?」
「外の掃除。…とりあえず座って。」
ダイニングに座らせて体温計を忍の口に突っ込む。
「37.9度…まだあるな…」
「ごめんね…右京学校でしょ?」
「今日は遅刻していくってさっき虎太郎にメールした。
忍の病院が優先!」
「ダメだよ!…ただの風邪だと思う。
寝てれば治るから…」
「風邪を甘く見るなよ?」
忍の鼻を軽くはじくと「はーい」と子供のような返事をした。
「右京…」
「なに?」
「…そのエプロン私の…」
「ん。借りた。」
「ふふ…かわいい」
「似合わねーだろ~?
でも意外にエプロンって便利なんだな!」
「ホント似合わない。」
忍はそう言いながら笑うとゲホゲホとむせたように咳した。
「ツラいだろ?まだ寝てろって。」
「…ひとりでつまんない…」
「“つまんない”じゃなくて“寂しい”だろ?
ついててやるから。」
ベットまで嫌がる忍を抱きかかえ連れて行く。
「右京…ごめんね」
「謝ってばっかだな。気にすんなって。」
「違う…昨日の事。
私、過信してた。」
「あ~それか。わかればいい。」
「…もっと強くなりたい…」
「だからって頑張り過ぎて熱出されても困る。」
「そうだね…ごめん…」
「ま~た謝ってる!
どうせ謝るなら、昨日道場でさせてくれなかったのを謝ってくれる?」
「…それは謝る必要ありません。」
俺の冗談にちょっと赤くなりながら忍は恥ずかしそうに笑った。