とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
病院の待合室で忍の診察が終わるのを待つ間、虎太郎に『午後から行く』とメールを打った。
授業中なはずなのにすぐに返信があり『テスト前で自習だから来なくても大丈夫』と言われた。
自習だから返信早いのか…
どうせ勉強なんてしてないだろう事は聞かなくても分かる。
行こうか迷っていると診察室から忍が蒼白な顔で出て来た。
「右京…私…」
「ん?なに?」
「私…“インフルエンザ”だって…」
それを聞いて俺は手に持っていた携帯が床に落ちた音で我に返った。
「…マジかよ…」
この時期に脅威的な感染力のあるインフルエンザにかかるとは…
自慢じゃないが、俺はインフルエンザに今までかかった事がない。
が、今回はヤバいかも…
「俺もヤバいかな…」
「…多分…」
「師範にうつったら命取りじゃね?」
「おじいちゃん体力あるからそれはないと思うけど…マズいよね…」
「とりあえず忍は部屋に“隔離”!」
俺がそう言うと忍は力無く「…はい…」と返事をしたのだった。
家に帰ってさっさと忍を部屋に閉じ込め、とりあえず虎太郎に電話をかけた。
「虎太郎…ヤバいぞ!忍はインフルエンザだった。」
「ええ!?それって右京も出席停止なんじゃねーの!?」
「つか感染してる確率高い…」
「担任に言っとくからしばらく来るな!」
「来るなって…寂しい事言うな…」
「仕方ないだろ?」
そう言われて渋々納得するしかなかった。