とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
夕方に担任から電話でやっぱり「来るな」と言われ、結局1週間近く休む羽目になった。
が、一番忍と接触してる俺は感染せず、なぜか師範が発症したのだった。
「つか何で俺は無事なの?日頃の行いか!」
「…単に馬鹿だからじゃろ…」
ゲホゲホと咳き込みながらそう捨て台詞を吐くと、師範はパタリと布団に倒れた。
忍は申し訳なさそうに師範の看病をし、その間俺はほったらかしという最悪のパターンだった。
そんな様子を見ながら俺はポツリと呟いた。
「俺も忍に看病してもらいたい…」
「何言ってんのよ。右京までダウンしたら私が大変だったんだから!」
「ちぇ…じじぃ!俺の分まで苦しめ!」
「きっ…貴様…覚えておれ…」
ひぃひぃ言いながら睨む師範にニヤリと笑うと、師範の代わりに門下生を指導する為道場に向かった。
その日は数少ない社会人の練習が入っていて、みんな俺より年上ばかりだった。
そのほとんどは中高年でもう何年も通っている為、指導するのも楽だった。
だが子供達のような真剣さはなく趣味で通っているらしい。
「右京君が黒崎師範の代わりか!」
「はい…今週は俺で勘弁してください。」
「いやいや!右京君の評判は聞いていたからねぇ。ひとつ宜しく頼むよ。」
「しっかし右京君はしばらく見ない間に男前になったな~!」
俺の体をバシバシと叩いたり触ったりすると、みんな豪快に笑った。