とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
そんな事があり、気が付くと既に12月も半ばになっていた。
学校ではテスト期間に突入し、放課後は図書室や教室で居残りで勉強をする生徒がかなり目立った。
それは俺のクラスでも同様で、珍しく真剣に勉強する陸と寛二を虎太郎が不思議そうに観察していた。
「ウリ坊!英語得意だろ?教えてよ!」
「英語なんて覚えるもんだろ?自力でなんとかしろよ…」
「じゃあ数学教えて!」
「数学なら虎太郎が得意だろ…」
「俺かよ!…どこわかんないの?」
なんだかんだ言いながら面倒見のいい虎太郎は陸に一生懸命教えていたが、しばらくすると口論になって来た。
「そうじゃねーよ!俺の話聞いてた!?」
「聞いてるよ!虎太郎の教え方がおかしいんじゃねーの!?」
「…うるせーな…」
「…勉強してんだか喧嘩してんだか…」
寛二と俺は騒ぐ二人を冷たく睨むと溜め息をついた。
「わかった、わかった!
俺が教えるから静かにやれよ…」
俺は陸の前に座るとわかりやすくノートに書き込んで説明すると、陸は感嘆の声を出した。
「さすがウリ坊!わかりやすい…」
「悪かったな!解りづらくて!」
拗ねる虎太郎をなだめながら俺はパーカーを着ると帰りの準備を始めた。
「ウリ坊帰るの!?」
「帰るさ。今日は師範が病院行く日だから道場任されてんの!」
「やだ!まだ帰らないで!」
涙目で食い下がる陸に「無理」と言うとガッチリ腕を掴まれた。