とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
無視して俺は陸を引きずって歩き出した。
「…邪魔だ。離れろよ…」
「やだ!」
しつこい陸に負けて結局夜うちで勉強会をする羽目になった。
「6時以降じゃないと無理だから、そんくらいからだぞ?」
「ありがとう!…夕飯出る?」
「絶対出さねー」
「忍ちゃんの手料理楽しみだな~」
勝手に妄想する陸を蹴り飛ばして俺は虎太郎と先に帰る事にした。
「甘いな~右京は…」
「お前のせいだからな…
手伝えよ?」
「わかってるって!
それよりインフルエンザ大丈夫だったの?」
「俺は平気だった。」
「そんなの知ってる。じゃなくて師範だよ…」
「じじぃはピンピンしてるよ。
何で俺が無事だったのか…」
「そりゃ無事だろ。人間の病気なんざに俺らがかかる訳ねーよ」
言われてみると確かに病気らしいものにかかった記憶がない。
「虎太郎もか?」
「当たり前!あ、でも昔天界でも伝染病みたいなのが流行ったな…」
「…なんかあったな…」
ウリエルの記憶にもあったそれは結局病気ではなかったのだが、一時期かなり天界は騒然となった。
「確かどっかのバカな悪魔の仕業だったな…」
「あれは人間に行った天使が連れてきたらしいよ?」
簡単に悪魔を天界に入れてしまったその天使は、その後堕ちたらしいと虎太郎は言っていたが、名前が思い出せなかった。