とある堕天使のモノガタリ
~INTROITUS~
72居るとされる権力ある悪魔のうち24になった訳だ。
「虎太郎。今夜ヤツを誘き出す。」
「俺も…」
「いや。俺がやる。
…大丈夫だ。もしも無理ならその時は加戦を頼む。」
虎太郎は不満そうな表情をしたが、俺が頑として頷かないと分かると諦めたように「分かった」と言ってくれた。
帰宅したのはすでに日は沈んでからだった。
「ただいま」
玄関を開けると忍はパタパタと走って来て俺に抱き付いた。
「おかえり!遅かったねー」
「え?…ああ…ちょっとな…」
違和感のある明るい忍…
なんだ?
「…なんだよ…忍が抱き付くなんて珍しいな。」
しらばくれる俺に忍はニッコリ笑った。
「ねぇ…今日おじいちゃん遅くなるって…」
「…そうなんだ…」
「嬉しくないの?」
「イヤ…嬉しいよ。久しぶりに二人きりだな。」
おかしな忍に合わせてそう微笑むと、忍は手を引いて二階の部屋まで連れて行かれた。
「し…忍!?」
「ねぇ…抱いてよ…」
「…なんだよ、いきなり。」
普段こんな事は絶対に言わない。
正気じゃないと分かっていても思わず押し倒したくなる衝動を必死で抑える。
「私とシタいでしょ?」
「まぁ…そりゃそうだけど…」
「なら抱いてよ…」
「…今は無理だよ…」
「…私の事好きじゃないの?」
「好きだよ。」
「なら…」
「おい!!…いい加減にしろよ!」
忍の体を勝手に支配する相手に、俺は苛立ちを表に出した。
「分かった…もう…終わりにしましょう。」
突然別れの言葉を口にする忍に俺は一瞬固まった。