【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
母にとって、俺はいつか父が自分と結婚してくれるための材料でしかなかった。



『お前のせいで嫌われたじゃないの!お前なんかいらない!この、悪魔の子め!』



自分勝手に俺を作った両親。奴らが汚らしい存在なのは、幼いながら分かった。



そんな両親の種と卵から生まれた俺は、最悪に汚い存在だ。



何度洗い流したって、綺麗になんてなれやしない。



……汚らしい母が『悪魔の子』と称した俺を捨てたのは、父に切り捨てられてから、ほんの数日のことだった。
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