【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「お疲れ様でーす!次のシーンに入ります!」



その声に、支配が一気に溶けて、私はホッと肩を下ろす。



「君、本当に素人?びっくりだ。この調子で次のシーンも頼むよ。」



監督さんにそう言われても半信半疑。だって、私は自分がどうしていたのか良く分からないから。



次に連れて来られたのは、泡の張られたお風呂場のようなセット。



そうか…このために脱がなきゃいけないんだ。



「飛鳥大丈夫か?」



兄貴が私の衣装を預かりにやって来る。



「何を今更。もう、引き返せない。」



私はそう返すと、いつもじゃ有り得ないくらい大胆に、白いタンクトップを脱いだ。
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