マリア教会
すっかり意気消沈している小夜に、元帥は優しく言った。
「小夜、私なら大丈夫だから。ちゃんと帰って来るから安心して」
母親が子供に諭すように言われた小夜は、しばらく元帥を見つめて背中を向けた。
「失礼します…」
入って来た時とは違い静かに出て行った小夜を見て、詩織が弾かれた手を見つめながら呟く。
「冷静だと思ってたけど、違ったな」
「ええ…」
若くして隊長の位置についたので、しっかり状況判断が出来ると思っていたが違った。隊長になってもまだ手柄が欲しいのかと思ったが、それは違うと元帥の言葉で分からされた。
「普段は冷静なんですけど、私の事になるとつい熱くなってしまうんです」
「小夜隊長の事、よくご存知なんですか?」
「ええ」
頷いた元帥は、心配してくれた小夜の事を想っているのか、幸せそうに笑った。
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