禁断の恋はじめます
家族としてだけの想いだけじゃない
強烈な想いがこみあげてくる。


世界で一番愛しい人を
失う日が近づいている。
今は 家族としてその一線を
越えずにここにいるけど


その火種を必死に消そうとしてるけど


啓吾が自分の世界から
いつかいなくなる恐怖が
私を襲う。



  愛してる……。


私にとって人生の全てが
啓吾だった。


兄として好きになっては
いけない人を愛してしまった。
そして兄が兄じゃないことを知ったのに
もっともっと啓吾と
距離を感じた。


啓吾とキスをするたび
抱きしめられるたび
私たちは兄妹じゃないって
叫びたかった。


だけど…だけど
それを知ると引き換えに

出生の真実を
啓吾は知ることになる。
この真実から啓吾を守るために
私は啓吾を家族という
殻にとじこめようとしてきた。


でも今はその柵から解放された。


私は…思いっきり
啓吾を愛していいのよね?


期限ある日々の中で
啓吾にもそして私自身にも
悔いのない終わり方は何なんだろうか


落ちくぼんだ頬に
唇を寄せる。



火種が炎に変わった。


  後悔したくない……。



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