禁断の恋はじめます
「啓吾に会えたことに乾杯。」


私がそう言うと啓吾が笑って


「俺は会えてよかったけど
朱奈にはどうだったのかな。
先輩とのこと……。」


「もうやめよう。
勇樹のことは言わないで。」


「俺はさ俺が死んだあとを
心配してんの。」


「死ぬとか言わないでよ!!」

私はたまらなくなって大声を出した。


「啓吾が一番辛いけど…
私だって世界で一番愛してる人が
この世にいなくなるって
思うだけでおかしくなりそう!!
ずっとずっと会えない間も
心に封印してきた……。
啓吾が一番なの。
だからずっと勇樹には悪いって
罪悪感を持ち続けてきた。
だからよかったんだよ。
やっと私…一番愛してる人の
そばで生きていける。
勇樹の名前出されるの…
やっぱり辛いんだもん。」



「朱奈……。とりあえず…
乾杯~~~。」


グラスをぶつけた。


「ママが言ったもん。
後悔しないように…って
私が…私の気持ちが一番なの。
これ以上啓吾に望まないから…
ただ一緒にいて……。」



私は一気にビールを
飲みほした。
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