弱く儚いモノ達へ
手の刺青を見つめるすばる。
痛いほどの視線が二人を包む。
「何がわかるねん。お前に何がわかるんや。刺青の意味がわかるやと?笑わせるなや。」
裕をにらみつけるすばる。
「その人のこと愛してたんやな。」
動揺する瞳。
目を伏せギュッと拳を握るすばる。
「愛してる人やったからこそ許せひんかったんやろ?」
諭すように話し出す。
「やから…やからお前はこの船に…。」
「やめろ。やめてくれ。」
裕の言葉を遮り怒鳴るすばる。
すばるの頬に伝わる一粒の涙。