トリップ

「あのっ・・・」

何かを聞こうとしてエリカが口を開いた時、休み時間終了5分前のチャイムが鳴った。
「・・・もうそんな時間か・・・。」

それだけ言うと、リクは階段を降りてそのままどこかに行ってしまった。
エリカも後を追うように駆けていったが、次の曲がり角を曲がった頃には、リクは既に姿を消していた。

・・・・下校時間・・・・・

帰りにキャプテンの姿を探したが、今日は何故か何処にも見当たらない。
不安になってキャプテンに電話をかけてみる。
10秒経って、キャプテンが電話に出た。

「もしもし?」
「キリちゃん、今何処におる?探しても見あたらへんのやけど・・・」
「あー・・・ごめん、ちょっと部活で使っとるパソコンが故障しとって・・・今同じ部活の子と先生で修理中。悪いけど、先帰っとって。」
「キャプテンさん、誰からですか?」

会話を遮るように、興味津々な声が聞こえる。
声変わりしているが、それでもすこし高い男の声だ。
電話越しに「友達から」とキャプテンの声が聞こえる。
エリカは話題を戻すようにキャプテンに言った。

「あ、そうやったんか・・・。分かった。バイバイ。」

そういうと、エリカは電話を切って一人で歩き出した。
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