気付いてよ
その後は真那のお母さんの手料理をご馳走になって、真那とお風呂に入った。
それから、真那の部屋に戻って2人で雑誌を開きながらこの冬に流行りそうなファッションを見ながら、今度近いうちに洋服を買いに行く予定を立てた。
朋のことが頭から離れた訳じゃなかったけど、こうやって気を紛らわしているうちに時間が解決してくれるような気がした。
でも、いざ電気を消して布団に入るとさっきのことを思い出さずにはいられなかった。
フラれる覚悟なんてやっぱり出来ないものなのだと思い知らされる。
結局私は、本当の本当にフラれるまで、もしかしたらっていう気持ちを捨て去ることなんて出来なかった。
結果が見えていても実際に現実としてそれを突きつけられるのは辛い。
だから、真那の様な友達がいてくれて本当に良かったと思った。
「真那、起きてる?」
「んー?」
少し眠そうな返事が返ってくる。
「本当に今日はありがとう。真那がいてくれて本当に良かった。」
「何言ってんの。こんなの当たり前の事なんだから!奏は頑張ったんだから素直に甘えればいーの。」