気付いてよ
そして、腕を組みながら次の言葉を続けた。
「バカだバカだとは思ってたけど、やっぱりバカだったわ。」
「は?何のこと?」
私は分からず聞き返したが、こっちの話と真那に誤魔化されてしまった。
「で、なんてフラれたの?」
「幼馴染以上には…思えないんだって…さ。」
それからは、案の上私はまた泣いてしまって、それでも真那は黙って私の話を聞いてくれた。
一通り今までの経緯を話し終わると、今まで良く頑張ったね、と真那は言ってくれた。
「あんなバカ男なんて忘れちゃいなさい!ってゆっても、今すぐは無理だろうけどね。なにかあったら、絶対あたしに相談するのよ?」
分かった?、と聞いてくるから私は笑顔で分かったと答えると。
「もう、奏、可愛い!」
と言って真那が抱き着いてきた。
人肌は酷く温かくて、心まで温かくなった。
そうこうしているうちに、階下から真那のお母さんのお呼びが掛かり、二人で下に下りて行った。