気付いてよ

お母さんは私の欲しかった答えをいとも簡単に言ってくれた。
さすがだと思った。

まだ朋を好きな間は辛いことが多いかもしれないけれど、傷ついた心はいつか時間って薬が癒してくれるはずだから。

今はまだ、もう少し朋を好きでいたい。

これは私の単なる我儘だけど、こんなに思っていた気持ちをすぐに片づけるなんて出来ないから。

また笑いあえるその時は、きっと朋の幸せを願えるはずだから。

そう信じることにした。





次の日、その日は朋とすれ違うこともなくて、何事もなく一日が終わると思っていた。

でも、帰ろうと下駄箱に向かう途中、朋の元カノ3人に呼び止められた。

「霧島さんですよね?」

「…はい。そうですけど。」

「ちょっとお時間いいですか?」

面倒なことになる。
それは直感的に分かったこと。



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