気付いてよ

彼女たちとまた校門で会うのは嫌だったから、とりあえず反対に歩いてきたけど、帰るつもりだったからすることなんてないわけで。

やっぱり私は邪魔者なのかもしれない。

私が幼馴染じゃなくて朋が好きだったら、確かに幼馴染の存在は嬉しくはない。

そんなことを思いながらとりとめもなく歩いていると、中庭に出ていた。

ネガティブな思考に陥るといいことがない。

好きになった相手が悪かったのか、普段はそんなことないのに、恋愛に対してだけは希望を持てない。

やばい。
視界が滲んでくる。
視界を滲ませている正体には知らないふりをしたかった。

でも、気付けばそれが頬を伝う感覚に襲われた。
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