気付いてよ
「で、どうしたの?」
校門を出て少し歩いたところで、奏が沈黙を破った。
「奏さ、昨日大倉に告られたって本当?」
奏を見れば、なんで知ってるんだ、とまるで顔に書かれているようだった。
「…なんで朋が知ってんの?」
そして、すでに顔に書かれている言葉をそのまま言った。
「ってゆうかさ、言えよなー。でさ、やっぱ断ったんだろ?」
俺がそう聞くと、答えではなく、質問が返ってきた。
「…んで?なんで、そんなことが気になるの?」
「そりゃ、恋愛経験値の低い幼馴染が告られたって聞きゃあさ、俺がアドバイスしなきゃダメかなぁって思ってさ。まぁ、俺の予想は断った方だけどな。」
どうして気になるのか、なんてろくに考えもしないで俺は笑いながら奏に言った。
「……」
でも、奏は俯いて何も言わない。
「奏?どーした?って、…え?」
泣いてる…?